太陽光発電関連の測定技術

Photovoltaic panels on the roof of Metrohm Headquarters

光テクノロジーは、将来のエネルギー問題において重要な役割を担います。

太陽光発電はポケット電卓での利用から始まり、明るい未来へ向かっています。この先太陽光発電は、炭素フリーの未来へエネルギーシフトする上で主役となるでしょう。

メトロームでは、カーボンフットプリントを最小限に抑え、次世代の環境と天然資源保護に貢献したいと考えています。

2016年、スイス、ヘリザウにあるメトローム本社では、野心的な試みとして、屋上にソーラーパネルを設置し、使用エネルギーの25%を供給しています。

結晶シリコン:滴定やICを用いたエッチレートモニタリング

設置されている太陽電池全体の約80%は、第一世代と呼ばれているものです。全ての単結晶および多結晶シリコンウェハーは、光捕捉をより効果的に行うための表面特性を得るため、湿式化学エッチング工程を経ています。そして、ここでメトロームの分析装置が活躍します。

エッチング溶液は、さまざまな酸、安定剤、湿潤剤、緩衝材により、太陽電池の表面構造が決まってきます。エッチングにより溶解シリコンの量が徐々に増加してゆきます。テクスチャ溶液槽の組成は、効率的な太陽電池を製造するためのカギです。メトロームの分析機器は、厳しい環境下でも、テクスチャ浴槽の組成分析が行えます…

…温度滴定

シリコン基盤のエッチングで使われるHNO3、HF、H2SiF6 を含むエッチ酸混合物は、2種類の方法で分析できます。一つ目の測定は、NaOHによる直接滴定やHClによる逆滴定です。これにより H2SiF6 含有量に硝酸とフッ酸合わせた値が求められます。二つ目の測定は、HF含有量を測定するためにアルミニウムにより滴定を行います。この2種類の分析からソフトウェで HNO3、HF、H2SiFそれぞれの値を計算します。

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…電位差滴定&直接測定

テクスチャ―形成浴槽中に含まれる総シリコーン量は電位差滴定で測定できます。また、全酸、それぞれの酸、溶解シリコーンの量は、NaOH滴定試薬で水系の酸塩基滴定により測定できます。

ソリトロードHF電極は、このような電位差滴定用のpHガラスセンサーとして最適です。この電極は、HFを含むテクスチャー形成浴槽内の使用にも耐えられます。

> ソリトロード HF電極の詳細はこちら

あるいは、全フッ素濃度測定には、メトロームのフッ素選択性電極(F-ISE)が使用できます。全フッ素濃度とヘキサフルオロシリケートに結合したフッ化物濃度との差は、フッ化水素酸濃度に相当します。硝酸の含有量は、全酸の濃度から計算できます。

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イオンクロマトグラフに2種類の検出器を付けて分析… 

フッ化物、硝酸塩、リュサンエン、酢酸塩は、ケミカルサプレッション後の電導度検出器で測定できます。ヘキサフルオロシリケートの形態で存在するシリコーンは、同じ分析において、誘導体化後のモリブドケイ酸として分光度検出器により測定できます。

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薄膜太陽電池:ボルタンメトリーによる電解質分析

薄膜、または第二世代の太陽電池は、プラスチックやガラスなどの様々な低コスト基板上に感光性材料の極薄層を重ねゆくことにより製造されます。このアイデア自体は1980年代から既にあるもので、アモルファスシリコン(A-Si)太陽電池を利用してポケット電卓や時計の電極を供給してきました。この製造の容易さ、低コスト、厚い気候帯で必要とされる耐熱性の良さは、a-Siは低効率を充分に補って余りあるものです。 特に有望なのは、銅インジウムガリウムジセレン化物(CIGS)とテルル化カドミウム(CdTe)の吸収体層を備えた2つの主流のPV薄膜技術です。ボルタンメトリー(電気化学分析法)では、電気めっき浴や添加剤の主要成分を高感度で分析できます:

CIS太陽電池:ボルタンメトリーによる電解質槽内のCdとチオ尿素の分析

優れた光吸収は、効果的なヘテロ接合生成のための半導体硫化カドミウム(CdS)と界面を接した銅インジウムジセレニド(CIS)の薄層により、達成されます。Cdsha、カドミウムアセテートとチオウレア(硫化生成源)を使用する湿式化学プロセスで積み重なって形成されます。先ず、Cd2+が表面に吸着されます。続いて、チオ尿素の分解中に保守つされた硫化物は、吸着されたCd2+と反応します。続いて、チオ尿素の分解中に放出された硫化物は、吸着されたCd2+イオンと反応します。浴中のカドミウムとチオ尿素の濃度は、ボルタンメトリーを使用して正確にコントロールすることができます。

さらに、CdSヘテロ接合の他にモリブデン上のCIS層の電着に使用される電気めっき浴中の金属溶液や添加物の濃度を測定するために、ボルタンメトリー(VA)は利用されています。

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CIGS太陽電池:ボルタンメトリー (VA) による電解溶液内のCu、In、Ga、Se(IV) の測定

インジウムに一部のガリウムを置換することにより、銅インジウムガリウムセレン化物(CIGS)太陽電池が作製されます。CIGSは、CIGS吸収体Cu(InGa)Se2とのpnヘテロ接合を形成する硫化カドミウム(CdS)の薄い層からなる最も重要な薄膜太陽電池です。

Cu(InGa)Se2 薄膜は、低濃度の金属塩溶液からモリブデンへのワンステップ電着の工程を経ます。電解質中のインジウム、セレン、銅は、滴下水銀電極(DME)によるポーラログラフで測定できます。CISの欄での記述の通り、ボルタンメトリーはCdS層を積み重ねるためのCdおよびチオ尿素含有量をコントロールします。

> ボルタンメトリーについての詳細はこちら

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ポテンショスタット/ガルバノスタットを使用した電気化学セルの特性評価試験

メトローム・オートラボのポテンショスタット/ガルバノスタットは、プロト結晶(nC-Si)、ブラックシリコン、ガリウムヒ素(GaAs)多接合、色素増感(DSC)、有機/ポリマー太陽電池における電気化学および光電気化学プロセスの直接的な分析を可能にします。これらの有効なPV技術の検証には、電流電位(lV)、および電源電位(PV)曲線からインピーダンス測定までの無数の電気化学電気化学測定が含まれます。メトローム・オートラボなら、必要な計測装置とノウハウを手に入れることができます。

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その他のアプリケーションと装置 

プロセスラボによる最適なコーティングパラメータ

プロセスラボ分析計を使用すれば、エッチング、洗浄、すすぎ、親水化といった結晶シリコンのテクスチャー形成処理プロセスのモニタリングを心配する必要がありません。標準パラメータのpH値と導電率は表面形態的にとても重要であり、常時監視する必要がありますが、カスタマイズされたプロセスラボ分析計は、最も厳しいフッ酸を使用する環境であっても測定が行えます。このような直接測定に加えて、プロセスラボを使用することにより、アルカリや酸処理、洗浄、すすぎ、親水化といったすべての工程をモニタリングすることができます。

アプリケーション参照(英語) ADI 2045PLプロセスラボの詳細(英語)

テクスチャー形成浴槽中の界面活性剤の滴定

シリコン太陽電池は、反射によるエネルギー損失を減らすため、テクスチャー加工された受光面を必要とします。テクスチャー浴中の界面活性剤(例;ドデシル硫酸ナトリウムや臭化セチルトリメチルアンモニウム)は、表面の形態やコーティングの厚さに強い影響を及ぼすため、その濃度を厳密にコントロールする必要があります。メトロームの電位差自動滴定装置は、アニオン、カチオン性界面活性剤の測定が行えます。

ノニオン界面活性剤アプリケーション(英語) アニオン/カチオン界面活性剤アプリケーション(英語)

フロントエンド浴槽内のNIR分光計による測定

ウェハー表面のアルカリテクスチャー加工における湿式化学処理工程は重要です。NIR分光法は、水酸化物、ケイ酸塩および2-プロパノールなどの浴槽濃度のリアルタイムモニタリングが可能です。この測定方法は、非常に信頼性が高く、しかも高速であり、消耗品も必要としません。

オンライン NIRS分析計の詳細